切迫流産 ~15週の不安・ストレス対処法

本来であれば、妊娠が分かり、胎嚢確認、心拍確認、安定期へ…と、辛いつわりを抱えながらもドキドキの連続の時期です。

しかし安定期になる前に出血が…医師からは「赤ちゃんはまだ無事だけど、この時期の流産は防ぎようがない。安静しか対処方法がない」と絶望的な言葉を言われます。

つわりによる体調不良の中、胎動もまだ分からず、赤ちゃんが無事に育つか分からない不安から検索魔に…そんなこの時期の不安への対処方法を考えます。

切迫流産はつわりや出血だけでは判断できない

赤ちゃんの臓器や神経など重要な基幹が形成される時期です。初期の流産の多くは染色体異常によるもので防ぎようがありませんが、10~12週辺りを境に、流産の危険性が減るとされています。

まだ胎盤が完成していない時期なので、出血することも珍しくありません。危険性がある出血かどうかは診察により医師が判断しますので、異常を感じたらすみやかに病院に連絡して、指示に従いましょう。

この時期はつわりが強い傾向があります。しかし個人差が激しく、同じ人でも妊娠のたびに調子が変わることも多いです。ピークやおさまってくるとされる時期はあくまでも目安と考えましょう。

つわりの強弱によって流産かどうかを判断することはできません。中には、つわりが強まったり突然回復したりする日が交互にやってくるパターンもありますので、個人の経験談はあまりあてにはせず、診察を受けて指示に従いましょう。

どれだけ安静にしていればいいか

この時期は張り止めの点滴などもまだ使えません。安静のみが唯一の対処法となります。

この時期の安静指示は、医師により曖昧な部分があります。「安静しか方法はないけど、気休めのようなものだ」と言われたりもします。妊娠中期以降の切迫流産の安静のように、具体的な指示がない場合も多く、戸惑うかもしれません。

シャワーはどうするか、上体を起こすのは構わないのか、通勤はできるか、階段をのぼっていいかなど、具体的な例を挙げて医師に一つ一つ指示してもらうのをおすすめします。

どの週数においても言えることですが、ネット検索で素人の経験談を読み、それに沿ってしまうことはやめましょう。妊娠の状態は人それぞれで、その人と自分の状態はイコールではありません。結果的に「これをしても大丈夫でしたよ」といった意見があっても、自分が同じことをして大丈夫という根拠は全くありません。

何かあったときに「あのとき無理をしてしまったから」と後悔しないように、医師の指示内で最大限の安静体制をとることをおすすめします。

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初期流産の恐怖との付き合い方

医師の指示に従った上で、次回の診察までの膨大に感じられる時間を乗り切るため、自分の恐怖や不安に対処しましょう。

注意したいのは、ネットで同じような状態の人を見つけようとしたり、掲示板で意見を集めたりするときです。「私も同じでしたが、大丈夫でしたよ」という意見を見つけて安心できる反面、そうではない意見を目にしてますます不安を深める恐れがあります。

また、切迫流産の経験がない人に相談し、満足いく理解が得られずますますふさぎこむ恐れがあります。たとえパパや実の両親、親友が相手であっても、他人である限りこうしたすれ違いは考えられます。

とにかく誰かに不安を吐露したいと思ったときは、「答えはいらないから、ひたすら話を聞いてくれるだけでいい」「私はこうした答えを言ってほしい」と、最初に相手に期待する対応を教えてしまうのも手です。

不安を一切取り除くということを目指してしまうと、かえって心が疲れてしまいます。自分に合った方法で、一日のうちほんの短時間でも不安を取り除けられれば合格だと自分を甘やかしましょう。

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切迫流産になった場合の妊娠報告について

この時期に切迫流産の安静となった場合の悩みとして、周囲への妊娠報告のタイミングがあります。

基本的に、この時期にパパ以外に妊娠報告するのは、仕事をしている場合は直属の上司のみ、上の子がいて通園している場合は園の担任のみでいいと考えます。

直属の上司には、仕事の都合もあるので医師から診断された旨をすみやかに報告しましょう。その際「まだ妊娠が無事継続するか不安なので、周囲には内密にお願いします。」とお願いしてもよいと思います。部下に頼りにされていると思えば、管理職の立場で適切に対処して頂けるでしょう。

園の担任の先生には、ママが送迎を担当できなくなった報告に加え、上の子の様子の変化などが起こったときに連携できるよう、伝えておいた方がいいでしょう。「まだ子ども本人には内密にしています」と添えて連絡帳に記載する方法もあります。

この段階で切迫流産の診断が出ていれば、上の子本人には無理に打ち明ける必要はありません。園などで周りに話してしまう恐れもありますし、あまり考えたくはないですが万が一のときに悲しませることにもなります。

実家や義実家には、安静中の上の子のフォローをお願いする場合は伝える必要がありますが、そうでなければ急ぐ必要はありません。切迫流産の経過次第で、焦らず無理のない段階での報告でいいでしょう。

上の子や義実家については、くれぐれも、パパが許可なくもらしてしまった、という事態は避けるよう、パパにはよく話しておきましょう。

友達やママ友、同僚などには、この時期に無理な報告はしなくてもいいでしょう。毎日顔を合わせている人にLINEでどうしたのか聞かれたときに、簡単な状況説明とともに「まだ内密に」と添えて返信するくらいにとどめるといいでしょう。

中には、「妊娠検査薬が陽性になった時点で教えてくれるべきだ」と考える人や、妊娠報告が遅れると「どうして早く教えてくれなかったのか」と思う人もいます。しかしここは価値観の違いです。その人の価値観に今は配慮する義務はありません。後から事情を説明すれば、常識を備えた人ならば理解してくれるはずです。