切迫流産・切迫早産入院生活での負担を減らす過ごし方①シャワー・トイレ・洗面所

切迫流産・切迫早産入院中は、基本的に医師の指示に従い安静生活を送ればOKです。しかし、入院生活の中の細かいところで判断に迷う場面もあります。

シャワー・トイレ・洗面所といった日常的に避けられない動作・場所について、極力、身体の負担を軽くするポイントを確認しましょう。

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切迫流産・切迫早産入院中のシャワーの負担を減らす工夫、注意点

切迫流産・切迫早産の経過によってはシャワー回数が制限されますが、制限がない場合は個人の裁量に任されます。

しかし多くの場合、シャワーは共同で予約制となっており、使用できる枠も30分程度と短い設定となっています。個室で備え付けのシャワーがある場合も、油断して長々と使用していると身体の負担となるため、いずれにせよ手早く済ませたいものです。

ただし、慌てて転倒したりする方が危険です。点滴が入っている場合でも、一定時間であれば血中濃度が保たれているため、医師の指示に従っていれば必要以上に神経質になることはありません。

以下はあくまでも一例です。自分に負担のないペース・方法を選んでください。

毎日シャワーを浴びず、回数を制限する

シャワー回数に制限がついていない場合でも、安静生活だけではそこまで汗をかかないので、毎日浴びる必要はありません。身体拭きのお湯を用意してもらえると思うので依頼し、シャワー回数を制限するのも一案です。

ただし、入院中の清潔も大切なことなので、医師の許可がある場合は神経質なほど回数を制限することはありません。自分によってほどよいペースでいいでしょう。

1回で全身を洗おうとしない

シャワーの際は、1回で髪の毛と全身の両方を洗おうとせず、髪の毛だけ・身体だけと洗う場所を決めて、日によって交互に行うことで、使用時間を大幅に短縮することができます。

洗髪にコンディショナーを使用しない

シャンプー⇒コンディショナーのプロセスを省き、シャンプーのみにするか、コンディショナーを併用しなくてもいいシャンプーを使用します。

コンディショナーは洗い流す際にすっきりするまで時間がかかることが多いため、洗髪の時間を短縮することができます。

ドライヤーを借りるなど、シャワーを浴びるために必要な動線を極力短くする

病院によっては、ドライヤーや使い捨ての足ふきマットの貸し出しをナースステーションで行っています。

シャワー室や髪を乾かす洗面所との動線を考えると、行ったり来たりするたけで徒歩数が増えてしまいます。

最小限の徒歩数で髪を乾かしてベッドに戻るまでをシミュレーションし、極力少ない徒歩数でクリアできるようにしましょう。場合によっては貸出があってもドライヤーを持参するのも一つの方法です。

切迫流産・切迫早産入院中のトイレに関する工夫、注意点

トイレについては、個室に備え付けがある場合は徒歩数を減らせて助かりますが、共同の場合は病室の位置によってはかなり遠くなってしまいます。

日常的に避けられない動作なので、工夫をしてみましょう。

尿意は我慢しない

トイレを我慢すると膀胱が子宮を刺激し、お腹が張りやすくなります。トイレまでの往復が不安だからと、尿意を我慢はしないようにしましょう。

もしトイレとの往復中にお腹が張ってしまい不安であれば、車いすなしで大丈夫かどうか、医師や看護師に相談しましょう。

便秘は我慢せず、薬を処方してもらう

便秘は妊娠中はありがちな症状です。切迫流産・切迫早産安静中は、運動不足からさらに便秘になりやすい傾向があるとも言われます。

トイレでいきむことが原因で陣発につながる恐れはないですが、長時間便座についていなければいけなかったりと負担となりますし、便がたまっているとお腹が張りやすくなるという人もいます。気分もいいものではありません。

入院中は一日の排便回数も確認されますから、その際に便秘が辛い旨を申し出て、妊婦でも問題のない便秘薬を処方してもらいましょう。

水分補給を制限しない

トイレへの往復数を減らしたいからと、水分補給を制限するのはやめましょう。脱水症状が起こったり、代謝が悪くなったり、便秘になりやすくなったりしてしまいます。

一日の必要水分の目安は、医師や看護師に相談しましょう。

お腹の張り具合に注意し、休憩しながら行く

病室がトイレから遠い場合は、一気にトイレを目指そうとすると、途中でお腹が張ってしまうこともあります。

廊下に椅子が用意されている場合は無理せず休憩を取りながらトイレに向かいましょう。

診察やシャワーなど、他の用事があるときについでに済ませる

せっかくベッドを離れるのであれば、他の用事のついでに済ませてしまい、無理なく徒歩数を減らしましょう。

また逆に、トイレに行ったついでに洗濯機の残り時間を確認するなど、トイレで移動する際に別の用事も済ませてしまいましょう。

切迫流産・切迫早産入院中の洗面所での工夫、注意点

個室であれば備え付けの洗面台がある場合もありますが、大部屋で過ごしている場合は洗面所は共同でしょう。

他の入院患者とバッディングする場での注意点を見ていきましょう。

歯磨きは1日1回にして、消灯前など混雑する時間帯を避ける

歯磨きのために洗面所に向かっても、洗面台が埋まってしまっている場合は、病室に引き返したり椅子がない状態で待ち時間ができてしまい負担です。

夕食後や消灯前の時間など、入院患者で混雑する時間帯に歯磨きをするのは避けましょう。もし洗面所の使用が許可されていれば、消灯後の時間だとすいているかもしれません。

また、習慣的に毎食毎に歯磨きをする人もいますが、歯は1日1回、就寝前に磨けば十分です。虫歯予防をうたっている「歯みがきガム」を併用したり、毎食後にお茶や水を飲むのもいいでしょう。

ただし、妊娠中は虫歯になりやすかったり、歯が痛みだしても切迫流産・切迫早産安静中の治療は状況的に難しくなります。移動を減らすために何日も歯を磨かない、ということは避けましょう。

洗顔、スキンケア、ヘアセットを行うのは避ける

朝晩のスキンケア、ヘアセットといった習慣を続けたい気持ちは分かりますが、切迫流産・切迫早産入院中は避けましょう。

身体の負担になりますし、洗面所を占領していると他の入院患者の迷惑にもなってしまいます。もし面会客が来る予定があっても、入院している人に身だしなみを要求するような相手はいないはずです。

洗顔についても、洗面所で立ち上がり身体を曲げて行う動作が負担となります。シャワー時や身体拭きのお湯で拭いて済ませたり、気になるのであればベッド上で洗顔シートを活用すればOKです。極力、直立の姿勢を避けて洗面所の滞在時間を減らしましょう。

入院患者同士の会話は基本的に控え、相手の安静の妨げにならないように配慮する

洗面所といった共同の場であっても、基本的に挨拶や会釈程度にとどめ、入院患者同士の交流には積極的にならない方が無難です。

身体を縦にして会話する時間は、自分だけではなく、相手の身体に負担をかけてしまうことが考えられます。相手を引き留めることなく、すぐにベッドに向かってもらうという配慮が必要なのです。

そもそも、他の入院患者は、切迫流産・切迫早産に限らずどのような事情で入院しているのか分かりません。胎児に異常があったり、妊娠継続を諦めなければならない状況であったりと、深刻な事情を抱えている場合もあるのです。安易に相手の状況を聞くのは控えた方がよいでしょう。

病院によっては、同じ病室でベッドで身体を横たえたまま会話がしやすい空気だったりします。相手のステータスも分かり、身体に負担がない状況であれば、お互い励まし合う仲となることもあります。

相手によっては退院後に渡って「ママ友」として付き合う例もあり、管理人も切迫流産・切迫早産入院をきっかけにそうした縁に恵まれました。しかし基本的には友達作りのための入院ではないため、その辺りは期待はしないで過ごしておきましょう。