個室の差額ベッド代よりストレスをとる!?切迫流産・切迫早産入院の大部屋問題5選

切迫流産・切迫早産で管理入院となった場合、大部屋にするか個室にするかという選択肢があります。

大部屋を選ぶ最大のメリットは、差額ベッド代がかからないことです。高額医療保障でも差額ベッド代は対象にはならず、長ければ数カ月間に及ぶ切迫流産・切迫早産入院においては、個室で入院を続けると百万円以上など莫大な差額ベッド代がかかることも珍しくはありません。

その反面、プライバシーや、生活音の問題を免れないのが大部屋です。大部屋特有の問題を見ていきましょう。

周りに病歴を知られてしまう

医師の回診があるため、現在の週数、切迫流産・切迫早産の重症度、さらに合併症の有無や持病、胎児の状態にいたるまで、患者のステータスが部屋中に筒抜けになってしまいます。

仕事と違い、「他の入院患者の状況を口外しないように」といった守秘義務を課されるわけではないので、SNSなどで「隣の妊婦はこんな風に言われていた」などと流される恐れは否定できません。

さらに、部屋にはフルネームで入室している妊婦の個人名が表示されているため、個人情報保護法で「要配慮個人情報」にあたる病歴がさらされているという、個人情報の観点からすれば非常に手薄な状況ということになります。

ただし、周りの入院患者は同じく妊娠経過に問題を抱えている妊婦であったり、出産したばかりのママで、いずれも身元が明らかです。不特定多数の悪意のある人間が紛れている場ではないので、個人情報の流出については過度に恐れる必要はないと思われます。

また、お互いに気が合えば退院後に渡って「ママ友」として付き合う例もありますが、多くの場合は、退院すればそれまでの関係です。

同僚や園のママ友など日常的なつながりのある相手と違い、個人情報がさらされてしまっても、あまり気にする必要がないと考えることもできます。

生活音が漏れてしまう

大部屋では、夜間に備え付けの棚や冷蔵庫をバタンと開ける音が睡眠の妨げになるなど、生活音問題がつきものです。

長期入院中だと、相手の生活音に悩まされることで「自分は気を付けよう」となりますが、産後入院だけの人などはそこまで気づくことなく、夜間の授乳のタイミングなどでガタガタゴソゴソと音を出したりします。

生活の場である以上、ある程度は仕方ないので「お互い様」な一面もありますが、消灯時間後は口にするペットボトルは冷蔵庫にしまわず手に取れる場所におく、頻繁に使う日用品は引き出しにしまわない、など、工夫できることはあります。

出産後はあらゆる公共の場で、子連れで社会性を試される場面が待ち受けています。前哨戦と思い、相手の立場にたった気遣いを心がけましょう。

面会客の気配に悩まされる

面会客との会話も筒抜けです。中には、大部屋で夫婦喧嘩が勃発したり、両親と言い争いに発展する、という場面も珍しくありません。

それより辛いのは、面会時間もろくに守らず、病室に入り浸られることです。父親がスマホをいじりながら走り回る上の子を放置したり、「長居して、すみませんねえ」だけで済ませて朝から晩まで入り浸る妊婦の母親などもいます。

カーテンで仕切られているため、すぐ隣にベッドから身動きがとれない他人がいるという認識がなかなかできない面会客もいます。周りを憚っているつもりかひそひそ声で延々と話されるのも、隣のベッドの妊婦からすればストレスです。

あまりに目に余る状況であれば、小声で看護師さんに状況を訴え注意してもらうこともできます。

自分の面会客との会話が漏れてしまう

自分の面会客との会話ももちろん周りに筒抜けなので、貴重な妊娠期であるにも関わらず、数カ月間に渡ってパパとも心置きなく話せない、という辛い状況も招いてしまいます。

パパや家族とのコミュニケーションはLINEを活用し、大部屋で話したくない内容は前もって伝えておくなどの工夫が必要です。

正期産を迎えて帰宅してからか、出産後にパパと存分に話しましょう。しばらくは妊娠期と違ったバタバタな毎日となりますが、赤ちゃんの授乳リズムが定まる頃には落ち着いた時間をとれるようになります。

入院生活が思い出話となる日も遠くはないでしょう。

上の子と心置きなく過ごせない

上の子の年齢によっては、見慣れない場所で長時間落ち着いて過ごすことが難しいです。

個室であれば、多少騒いだり走り回っても周りを気にしなくて済みますが、大部屋の場合は周りへの配慮から、叱っているうちに面会時間が終わってしまう…などということにもなりかねません。

長期間上の子と離れる寂しさに加えて、周りの目がある中での面会しか許されていないとなると、ママとしては大きなストレスになります。

ママと存分にコミュニケーションがとれないままお兄ちゃん・お姉ちゃんとなる上の子のメンタルも心配かもしれませんが、子どもは柔軟なものですし、下の子の出産前に切迫流産・切迫早産入院をしていたことが原因で悪影響があるといったことはありません。

それよりも、出産後に下の子と対面してからの上の子のケアを心がけましょう。