切迫流産・切迫早産発覚までの注意点

「これをしたから、確実に切迫流産・切迫早産にはならない」ということはありません。逆に言えば、あまりにも無茶な運動などを除いては「これをしてしまったから、切迫流産・切迫早産になってしまった」ということも考えにくいです。

しかし、結果的にそうなってしまう可能性を踏まえて、プレママができる範囲での対処法は存在します。特に次の妊娠を考えている切迫プレママは、今から改めて対処方法を頭に入れておきましょう。

妊婦健診を怠りなく受診すること

いわゆる「野良妊婦」とされる、妊婦健診を受けない妊婦が出産し…というニュースも聞きますが、妊婦健診で適切な診断を受けられるからこそ無事に誕生できる命は多いのです。

費用の心配があるならば、自治体からの補助もあります。そこは節約するところではありません。

もし前回の妊娠で切迫流産・切迫早産などの診断を受けていた場合は、可能であればデータのある同じ医療機関を受診し、病院を変える場合も充分な説明をしましょう。前回の経過を踏まえ、慎重に診察してくれるはずです。

主治医の指示に従い、適切な時期に怠りなく妊婦健診や診察を受けることで、危険な兆候を発見しやすくなります。

妊娠中は普段から無理な生活をしないこと

責任感の強いママほど、多少の異常を感じても「これくらいで休んではいられない」などと思ってしまいがちです。

しかし、仕事、子どもの送迎…なかなか休めない日々の用事を抱えていても、妊娠中は体調最優先ということを忘れないでください。

妊娠経過に何も問題なく、アクティブに動いていても出産できた!というエピソードを勲章であるかのように考えている人もいますが、それは間違いです。「あのお母さん、すごい!」と言われるのは、出産し、子どもを育て上げたときの話です。

今は無事にスタートラインに立つために、妊娠中にできないこと・難しいことを認識して、一定期間の問題として潔く諦める勇気も必要なのです。

安易に旅行の計画を立てず、普段の生活圏内で行動し、かかりつけの病院から遠く離れないようにすること

安定期に入ると、判を押したように「旅行に行っていいですか?」が始まる…と主治医が嘆いていたことがあります。その時点で問題がなければ「自己責任でお願いします。」と答えるしかないとのことです。

しかし水面下では、旅行先で容体が急変して現地の病院に飛び込むこととなったり、緊急搬送先の病院が見つからずたらい回しにされるといった、恐ろしい事態もあるのです。

中には、新婚旅行に行けなかったから、などと妊娠中に遠出した話を語っていた人もいますが、もし切迫流産・切迫早産となる妊婦が、その兆候に気づく前に同じ行動に出ていたら…と考えると怖いですね。

遠方の旅行先で入院となりそのまま帰れなくなったり、そこで早産し子どもがNICUに入院して通院が必要になる、などということも考えられますし、「もし旅行に行っていなければ、こんなことにならなかったかもしれないのに…」そんな最悪の事態でさえ、現実のものにならないとは限りません。

病院側としても、感染症などどのような問題を抱えているか分からない飛び込み妊婦を受け入れるのはリスクがあり、医師が手薄になることでの他の患者への迷惑なども含めて、好ましい話ではありません。

妊娠中は、何かあったときにかかりつけの病院に飛び込めるよう、普段の生活圏内を離れないようにし、里帰り出産をする場合は医療機関に相談の上、転院の段取りには注意しましょう。

身動きできなくなった場合をシミュレーションしておき、冷静に行動すること

出産まで何も問題なく走り抜ける前提でいると、切迫流産・切迫早産の診断でパニックになってしまい、「今日だけは職場に行かなきゃ!」、「パパには任せられないから私が行かなきゃ!」などと判断を誤ってしまう恐れがあります。

上の子の育児や仕事など、自分の役割を整理して、妊娠中はいつ何があっても慌てないようにシミュレーションしておくことで、冷静に対処できるようになります。

その際は、「自分が身動きできなくなったときに、できるだけ周りが困らないようにする」という柱からスタートし、自分の役割に落とし込んで考えていくといいでしょう。そうすればおのずと事前準備できることが見えてくるはずです。

【パパが困らないようにする】
・パパと情報共有を心がけ、子どもの日々のお世話についてはパパ向けに簡単な指示書を用意する
・子どもの保険証、医療証、診察券などの場所を明確にし、かかりつけ医についてもリストアップしておく

【子どもが困らないようにする】
・パパやママの実家に協力をお願いし、いつでも連携できるようにする
・ファミリーサポートなどの公的サービスやキッズシッター、託児所などの子どもの預け先を確保し、一度利用してみる

【同僚が困らないようにする】
・妊娠が分かったら早めに直属の上司に相談し、自分の業務マニュアルを用意して仕事が回るようにしておく
・突然出社できなくなったときに備え、職場の自分のデスクは誰が手を入れてもいいように片付けておく

などです。これらの準備をできれば妊娠を計画している段階からしておけば、切迫流産・切迫早産だけではなく悪阻などのときも自分が追い詰められずに済むでしょう。

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