切迫流産 16週~21週の不安・ストレス対処法
本来であれば、胎盤が完成し流産の確率がぐっと下がる安心感がある時期です。個人差はありますが多くの人はつわりもおさまってきて、いよいよ幸せなマタニティライフが始まるはずでした。
しかし安定期という言葉に惑わされますが、決して安堵できる週数ではありません。赤ちゃんはこの時期、まだまだ胎内でなければ生存することができません。
この時期の切迫流産は、赤ちゃんの生存がかかった状態であり、また、自分の中のギャップ、世間からのイメージとのズレが重くのしかかります。
医師の指示に従いながら赤ちゃんの無事を祈り、少しでも心安らかに世間のイメージとの違いを克服しましょう。
妊娠初期の出血との違い
この時期は胎盤が完成しているため、胎盤完成以前に見られた出血とは原因が異なる場合があります。
もし妊娠初期に「問題ない」とされた出血を経験していても、今回も同じような出血だから問題がない、と自己判断するのは危険です。同じ人であっても、週数が進むと新たな問題が出てくることは当然ありえるのです。
妊娠中期であっても、即座に流産につながる出血とは限りません。判断できるのは、とにかく医師による診察のみです。異常を感じたら身体を横にして病院に連絡し、落ち着いて指示に従うようにしましょう。
マタニティ情報に注意する
マタニティ情報誌や妊娠アプリなどでは、切迫流産・切迫早産の記述はすみっこに追いやられてしまっていることがほとんどです。
ウォーキングをすすめるなど安静中では不可能なマタニティライフが推奨されていたり、「マタ旅」「マタニティビクス」と言った「妊婦でも諦めない!」系の商業情報があふれる中、むやみに情報を目にすると落ち込みがちです。
もちろん、安静指示が出ている中で、経過に問題のない妊婦向けの運動などは厳禁です。情報源は主治医の指示のみと心得ましょう。
どの人の妊娠経過にも「普通」はありません。巷に溢れるマタニティ情報に踊らされることなく、赤ちゃんのために安静を守る自分を誇りに思って過ごしましょう。
安産祈願は「お預かり祈祷」や「オンライン安産祈願」などを活用する
この時期の行事として、安産祈願があります。本来であれば、安定期に入って初めての戌の日に、家族で神社に祈願に出かけるはずだったかもしれません。しかし安静指示となり出かけられなくなることで、落ち込む切迫妊婦は多いでしょう。
しかし現在は、わざわざ足を運ばなくても祈祷が可能な時代となりました。安産祈願で有名な水天宮寺といった神社などには、現金書留で初穂料を送って祈祷を依頼し、御神札や安産守を郵送してもらえるところがあります。
中には、インスタグラムで安産祈願のライブ配信をしているといった、先進的な神社も存在します。
「安産祈願に出かける」という固定概念を覆し、自宅や入院先の病院でも心を込めて赤ちゃんの無事な成長を祈れば、きっと天に願いが届くはずです。形よりも心が大事なのです。
出産後も、お宮参りやお食い初めといった日本の伝統行事は続きます。楽しみにしていた両家のご両親には、安心な時期に参加してもらえばいいでしょう。
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「安定期神話」と周囲との付き合い方
安定期となると、当然のように「順調な妊婦」と見なされる場面も増えます。
友人など身近なところに妊婦がいる人は、その人の状態と自分を比べてしまったり、「無理をしたからそうなってしまったんじゃないの?」など、順調な経過の妊婦から安静生活の理解がないような発言をされたりする恐れもあります。
つらいときは、顔を合わせないついでに妊婦の友人とも積極的に連絡を取らない、という方法をとってもかまいません。「体調が悪いから」と伝えておけば、相手にも決して嫌な思いはさせないはずです。
また、たとえすでに出産を済ませている母親や義理の母親であっても、自分の経験していない妊娠については無知なものです。「安定期」を神話のように考え、無茶なリクエストをしてくるケースもあります。
今の時代のようにマタニティ情報が得られにくかった世代は「切迫流産」の意味が分からない人も珍しくありませんし、すでに時代遅れの価値観をそのまま口にする人もいます。
母親世代と言えど、医師免許を持ったスペシャリストではないのです。できないことは毅然と断ったり、何度説明しても理解が得られない場合は一定期間距離をおいてもいいでしょう。