正期産 37週~の不安・ストレス対処法

いよいよ正期産となると、切迫早産は卒業となり安静解除となります。その他の合併症や胎児の成長などに問題がなければ、通常の妊婦と同様の生活をしながら出産のときを待つこととなります。

切迫早産を卒業した解放感で安静中にできなかったマタニティライフを楽しむのもいいですが、安静生活で衰えた筋力で無茶な行動に出るのは厳禁です。

いずれにせよ出産を控えた身重の身であることに違いはありません。医師の指示に従って無理のない生活を送りましょう。

安静解除後に感じる体力低下と出産時の不安

元切迫妊婦が出産にあたって不安になることは、長い安静生活により体力が低下しており、陣痛に耐えられるかということです。

妊娠経過に問題のない妊婦は、お産に向けた体力作りのためにウォーキングをすすめられていたり、マタニティヨガ、マタニティスイミングなど、体力作りの情報も溢れています。

しかし切迫早産を卒業したばかりの妊婦は、運動とは無縁な生活を送っていたことで、足の筋肉も衰えている状態です。
「体力作りをしておかなければ、難産になるのでは」
という思い込みから、余計に不安に思うかもしれません。

結論としては、約4ヶ月間歩行を禁止され、支えがなくては歩けない状態であっても、出産は問題ありませんでした。むしろ、無理な運動をして転倒し、お腹を打ってしまうなどの事故のリスクの方が高いと考えます。

もちろん、正期産を越えても寝続けていれば、元切迫妊婦であっても過産期に突入する恐れもあります。医師の指示に従い、体力低下している身体を自覚して充分に気遣いながら、無理のない範囲で身体を動かしてみましょう。

乳頭マッサージをしていないことでの母乳に関する不安

妊娠経過に問題がなければ、産後の母乳の出をよくするため、妊娠中から乳頭マッサージをすることが推奨されています。

しかし切迫早産の場合、乳頭への刺激が子宮収縮につながる恐れもあるため、正期産まではマッサージが禁止されています。

そのため正期産を迎えてすぐにお産となると、「母乳の出に影響があるのでは」という不安があるかもしれませんが、乳頭マッサージは出産後からでも、それが原因で母乳が分泌しない、などということはありません。

それよりも、出産後すぐから夜間を含めた頻回授乳に徹することを心がけましょう。赤ちゃんの吸う力に刺激されることで、母乳分泌が促されます。

赤ちゃんがNICUに行き退院が遅れる場合でも、夜間を含めた3時間毎の搾乳を行うことで、その後に母乳育児が軌道に乗る可能性が高いでしょう。

陣痛時の来院の不安

元切迫妊婦の場合、元から産まれやすい状態だったため、陣痛がきてからのお産の進みが早いケースが多いです。子宮口が全開となった経験がある経産婦の場合は、さらにスピード出産となる可能性が高いです。

破水・陣痛が起きたときの判断の基準や段取りを看護師に確認し、病院の第一連絡先をスマホに登録し、必要であればマタニティタクシーの登録を行いましょう。

場合によっては、パパなど助けてもらえる人がいない留守中などに、上の子を抱えながら破水した、などということもありえます。できれば支援者と一緒に過ごせるようにしたり、パパと連絡を密にし、陣痛・破水があったときのことをシミュレートしておきましょう。

せっかく安静生活を卒業できたわけですが、浮かれて遠出をせず外出先は日常の生活圏内にとどめ、いつでも病院に駆け付けられる心づもりでいましょう。

出産後に点滴の跡が消えるかの不安

切迫早産による長期入院中に点滴生活をがんばったママの腕には、差し替えのたびにできる点滴の跡が無数残っているかもしれません。

個人差はありますが、いくら長期間に渡る点滴だったとしても、跡として残ってしまうことはないので、安心してください。

いずれにせよ、出産後も1ヶ月健診まではほとんど外出の機会もないでしょうし、気づけば跡は消えているでしょう。それまで気になるようであれば長袖で過ごせばいいですし、夏場であれば網目の荒い薄手のカーディガンを羽織るのもおすすめです。

赤ちゃんが誕生して連れ歩くようになると、他人の目は見事に赤ちゃんの方に集まり、ママの容姿などはほぼ気にされなくなります。そのためあまり気に病む必要はないでしょう。

傷は男の勲章などという言葉がありますが、点滴の跡、帝王切開の跡などは女の勲章だと思っています。赤ちゃんのためにすべてをかけた切迫早産卒業生ママの勲章を、その跡が消えてからも、誇りに思ってください。