「旦那がストレス!」を回避!切迫流産・切迫早産プレママへのNGセリフ10選

通常の妊娠生活でさえ夫婦の意識のすれ違いがあるものですが、ママが切迫流産・切迫早産となればなおさらです。切迫プレパパは、普段より輪をかけて言動には注意しなければなりません。

「そんなつもりはなかったのに…」パパの悪気のない言葉が、切迫流産・切迫早産となったママの地雷を踏んでしまわないように、以下のポイントに気を付けましょう。

闇雲に警戒する必要はありません。上手くいけば、安静中のパパの精神的なサポートに愛情が深まり、夫婦の絆がより強固なものとなります。ピンチをチャンスに変えていきましょう!

「まだ〇週か」「先が長いね」などと先行きの長さを漂わせる

ママが早い段階で安静生活になった場合は特に、正期産までの日数が長く感じられます。でもその長さにまいってしまっているのは、他ならぬママなのです。

入院中の主治医の回診や、自宅安静中の診察で、医師から
「まだ〇週」「もし今生まれてしまったら、〇〇の機能がまだできていないから後遺症の恐れが…」
といった説明を繰り返し聞かされていることも多いのです。

医師であれば医学的根拠に基づいた「まだ」なので仕方ないのですが、一番身近なパパまで「まだ、まだ」を繰り返してしまっては、ママの気持ちは重くなる一方です。

かと言って、安易に「正期産までなんて、寝てればすぐでしょ」「もう網膜はできてるんだから大丈夫でしょ」などと口に出すと、今度は医学的な問題やママが抱えている重みを軽々しく受け止めているととられかねません。

未来の週数のことを口に出すよりも、
「もう〇週だね。ここまでがんばったね」
と、そのつど今現在達成できた週数を祝い、ねぎらう言葉をかけましょう。

「今週末、〇〇に行きたいんだけど、いい?」などと自由行動の許可を求める

切迫プレパパには切迫プレパパとしての苦労があります。突然ママが家事や育児をこなせなくなったことで、慣れない役割を背負いながら働くのは大変なことでしょう。

そのため、切迫流産・切迫早産とは言ってもママの状態は落ち着いていることだし、久々に会える友人との飲み会、年に一度の趣味の集まり、チケットを取っていたスポーツ観戦など…

「ママが切迫流産・切迫早産でも多少の息抜きはしたい」「これは譲れない娯楽だから、これだけは行ってもいいだろう」
と思う気持ちがあるかもしれません。

その気持ちは分かりますが、切迫流産・切迫早産安静中のママに自由行動の許可を求める行為はオススメできません。

なぜなら、ママの立場では、許可を求められたら承諾する一択になってしまうからです。
「私は身動き一つできないし、いつ何があるか分からないのに…」
「でも私が何もできないせいでパパだってがんばってくれてるし…」
「これくらいのパパの息抜きを許せないなんて、私の器が小さいのかしら」
「でもモヤモヤする…」
これだけの葛藤を引き起こしてしまい、口では許可してもモヤモヤを飲み込んでしまいます。

一方のパパは、「ママがいいって言ったんだし」と判断の責任転嫁を果たすことで堂々と遊んでしまい、何年も経ってからチクリと口に出されてしまう…そんなことがあるかもしれません。

もう一度考えてみましょう。夫婦間に禍根を残してまで、今行かなければいけないでしょうか?本当にその娯楽は、ママが出産しある程度落ち着く間までも我慢できないほどのことでしょうか?

そして何よりも、ママに万が一のことがあったときに即座に対応できないリスクは、どれほどの後悔を伴うことでしょうか?たとえ状態が安定していても、明日にも何があるか分からないのが切迫流産・切迫早産なのです。

ただし、「ママがこんな状態だから、行くのを諦めたんだよ」などというアピールも慎みましょう。ママが罪悪感を深めてしまいますし、こうした言い方で誘導した感謝は、お互いにとってよくありません。

「娯楽を期間限定で我慢し、恩着せがましくしない」たったこれだけのことで、今後の家庭生活の幸福度が上昇するのです。チャンスに変えない手はありません。

これから育児が始まれば、まとまった時間を自分のためだけの娯楽に使うことはしばらく難しくなります。この機会に、スキマ時間で上手に息抜きをする習慣を身につけましょう。

「ラクでいいよな」「寝てるだけでうらやましいよ」などと安静生活を茶化す

パパとしては、ママに安静生活をポジティブに捉えてほしい、と励ます意図があるかもしれません。

しかし、赤ちゃんの命や健康をかけて悩み抜き、すべてを放棄せざるをえない状態のママからすれば、この言葉を悪くとらえて愕然としてしまう恐れが高いです。

前向きに励ましたいときには、「ママは充分がんばっているよ。俺もがんばるよ。」「お腹の赤ちゃんもママにありがとうって言ってるよ。」などと、ママが抱える苦しみを理解した上で、安静生活を讃えましょう。

「これくらいはやっても平気でしょ」などと切迫流産・切迫早産を軽く捉えた要求をする

特に自宅安静中は要注意です。安静とはいっても一見ママは安定してそうだし、入院まで必要がないという状態を軽んじてしまい、
「安静って言っても、子どものためなんだし保育園の迎えくらいは行ってくれるでしょ?」
「まさか、少し料理しただけで早産したりしないでしょ。」
こうしたことをパパに言われてしまっては、ママはもう終わりです。

多少の体調不良であっても、「これくらい、平気だ」というポジティブさで乗り切ってきたパパも多いことと思います。

しかし、自分ではなくママ、しかも男性が生涯経験しない妊娠、それも切迫流産・切迫早産という局面でポジティブさを間違ってしまうと、取り返しがつかないことになってしまうのです。

自分が軽い気持ちで口にしたことで、ママの経過が悪化し入院になったり早産に至ったりした場合を想像してください。パパには、むしろ「これくらいできるから」と言うママを止めるくらいの役割でいてほしいのです。

また、結果的に無事な出産となっても「ほら、多少動いても結局大丈夫だったじゃん」などという言い方は厳禁です。

この時期にパパに理解してもらえなかったという禍根は、それこそ生涯忘れられないでしょう。

「仕事やめるなんて言わないでね」「うちは共働きじゃないとキツいからね」などと釘をさす

雇用が不安定で年功序列が崩壊した今、かつてのように大黒柱一人で家族全員を養うのが当然ではありません。今のパパ世代は特に、そのような意識はもたず共働きを基本に考えている場合が多いです。

しかし、妊娠出産や乳児の育児に関しては、ママ特有のハンデを全身で背負っている状態です。ましてやママが切迫流産・切迫早産となったとき、今後の収入への期待をそのまま口にすることがあってはなりません。

「安静中に働いてと言っているわけではない。育休が明けてからの話をしているのにダメなの?」
と思われるかもしれませんが、今は明らかにその話題を口にするタイミングではないのです。

もちろん早まったママがすぐに会社に退職の連絡をする、と言い出した場合は、「今は大変なときだから、仕事のことは落ち着いてから考えよう」という言い方で止めるのはOKです。

しかしあくまでも、ママが出産し落ち着くまでは、ママの収入を期待する言動は慎み「僕を頼っていい。仕事や収入のことは考えず、今はお腹の赤ちゃんのことだけで充分だよ」と声をかけて安心してもらいましょう。

男の沽券、などという時代はとうに過ぎましたが、せめて安静中くらいは「男がメシを食わす」と恰好をつけるくらいがいいかもしれません。

「同僚は産休に入るまで働いてたのにな」「友達の奥さんは妊娠中でも旅行に行ってたよ」などと他の妊婦と比較した発言をする

悪気のないただの話題のつもりであっても、安静中に他の妊婦と比較するような発言はNGです。

切迫プレママは、「どうして、私だけ」「思い描いていたマタニティライフと違う」という孤独感を抱えていることが多いです。

他の妊婦との状況の違いは重々分かっているのに、身近なパパに改めて事例を出されてしまっては、悲しくなるばかりで何も得はありません。

切迫流産・切迫早産安静に限らず、妊娠経過は人それぞれで個人差が激しいもので、「普通の妊婦」は存在しないのです。男女とも子どもの頃から妊娠出産に関する適切な教育を受ける機会があまりない事情もありますが、自分の奥さんが妊娠して初めて知る世界があるのです。

この機会に妊娠の多様性を知り、職場の同僚など他の妊婦に対しても理解を深められるパパを目指しましょう。

「次は女の子がよかったのに」「跡取りの男の子がほしかったのにな」などと赤ちゃんの性別に不満を述べる

希望の性別があること自体は否定しませんが、切迫流産・切迫早産安静中という赤ちゃんの命や生涯に渡る健康がかかっている状況で性別に注文をつけてしまうと、事の重大さが分かっていないと失望されることでしょう。

そもそもの話をすると、子どもの性別を決めるのは男性の精子側の問題です。希望通りではなかったことをママにそのまま話す必要は全くありません。また、赤ちゃんがいずれ成長したときに、自分が望まれた性別ではなかったとパパが話していたことを知ってしまったら、どう思うでしょうか?

「ウチの親が跡取りをほしがっていたのになあ」などと第三者の言動を悪気なく垂れ流してしまうのも同罪です。そのような話を聞かされてしまったら、今後の関係が悪くなってしまいます。

ママ自身が性別の希望がかなわなかったことを口にすることがあったとしても、パパに同調されると腹が立つ、という複雑な心理にあるママもいます。

性別の話題については、ママの口から出たときに「どちらでも楽しみに違いはないよ。それよりまずは赤ちゃんの無事な成長だよ。」と声をかけましょう。

「ウチの親ありがたいよね、ウチの親のおかげだよね」などと自分の親への感謝を促す

切迫流産・切迫早産入院中、子どもの世話や家事のサポートを自分の親に頼んでいる場合もあるでしょう。

確かに、ママの不在中に協力してくれる義両親の存在はありがたいものです。しかし、パパが過剰に「ウチの親、ウチの親」ばかりだと、パパが本来の責任を果たさず、親離れしていないように聞こえてしまいます。

これから孫が誕生すると、義実家との距離感が変化しセンシティブな問題となります。そのスタート前からこの調子では、ママには義実家との関係性が大きなプレッシャーとしてのしかかってしまいます。

「本当だったら、出産まで動けてお義母さんの手は借りなくて済んだのに…」などと、もどかしい思いを抱えてしまうこともあります。

パパが自分の両親へ感謝することは必要ですが、ママに自分の両親の恩をアピールする必要はありません。

サポートしてもらっている場合でも恩を着せるような言い方は慎み、「親に来てもらったけど、基本的には自分でなんとかすることだから自分がやっているよ。」と軽く伝える程度にしましょう。

また、キッチンの配置などを自分の母親の使い勝手で変えてしまった場合は、ママが退院するまでに現況復帰をしておきましょう。

「子どもはウチの親に懐いてるから平気」「もうママを忘れてるかもね」などと上の子にママが必要ないような言い方をする

上の子がいるママで入院中の場合、子どもと長く離れた生活を余儀なくされてしまいます。そこで、上の子のことが心配だろうと、こうした言い方で安心してもらおうと考えるパパがいます。

しかし「ママはいらない」ととられかねない言い方をすると、ママとしては悲しいものです。預かってくれている人に複雑な感情を持ってしまったり、喪失感を深めてしまいます。

ただし、「ママがいなくて情緒不安定になって…」といたずらに不安を煽るような言い方も考え物です。

「ママがいなくて寂しがっているけど、自分が全力でフォローしているから心配しないで。」
「ママと会える日を気丈に待っているよ。お兄ちゃん・お姉ちゃんになるのを見るのも楽しみだね。」
といった言い方で、ママを安心させましょう。

「妊娠はもう無理だからね」「2人目はないね」などと、切迫流産・切迫早産を理由に次の妊娠の可能性を否定する

ママが2人目、3人目以降を考えており次回の妊娠も希望している場合は、こうしたセリフに最も打ちのめされてしまいます。

確かに、切迫流産・切迫早産を繰り返すことを恐れ、「次の赤ちゃんにもリスクがあるかもしれない」と慎重に受け止めたり、「身動きできないママに代わって仕事をしながら上の子の育児だなんて自分には無理だ!」と想像して口に出してしまう…そんな事情はあるかもしれません。

しかし、妊娠中に次の妊娠のことに言及するのは厳禁です。ましてや切迫流産・切迫早産のことを理由に可能性に制限をかけられるのは、ママの本能レベルでの自尊心を傷つけるも同然なのです。パパが考えているよりも恐ろしく根深い問題だと思ってください。

逆に、「こんなことになったけど、一人っ子はかわいそうだから2人は産むんでしょ?」などと先走るのもNGです。とにかく、身体をはって安静生活をしているのはママの方なのです。時期がきたら、ママの口から答えがでます。それまで次回の妊娠について口にするのは控えましょう。

それよりも、まずは今いる赤ちゃんの無事を願いましょう。