切迫流産・切迫早産に使われる薬剤・点滴(リトドリン塩酸塩・ウテメリン点滴・マグセント)

子宮収縮を緩和する働きのある薬剤・点滴があります。一定の在胎週数を越えてから使用できます。

ただし、薬剤・点滴には、早産を完全に予防する効果はありません。切迫流産・切迫早産の予防に最も役立つのは、何よりも安静体勢を徹底することなのです。

薬剤・点滴を過信して医師の指示に従わず歩き回る、などということは絶対に避けましょう。

ここでは、管理人が使用した経験のあるリトドリン塩酸塩・ウテメリン点滴・マグセントについて記述します。

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リトドリン塩酸塩

3人目の32週4日から出産前日の36週1日まで、朝・昼・晩の食後に服薬していました。

服薬のため、常に注入できる点滴ほどの効果は認められません。NST(ノンストレスチェック)で高頻度の強いお腹の張りがあった場合は、より効果が高い点滴にステップアップすることがあります。

人によっては、身体のほてりや手足のしびれを感じるという説明がありましたが、服薬レベルでは効果が低い分、副作用も感じにくいです。またこの副作用は、時間がたつと身体が慣れて感じにくくなる傾向があります。

服薬だけの場合、経過によっては自宅安静で過ごすことができます。

ウテメリン点滴

子宮の収縮をおさえる働きのある点滴です。1人目の20週から35週6日まで使用していました。

24時間注入し、お腹の張りによって注入量を増やすことができます。服薬よりも高い効果が認められます。

血管との相性がよくないとされ、点滴をさしている箇所が痛んでしまうこともしばしばでした。血管から漏れてしまうときは、差し替えを行います。

1人目のときは、長持ちしても1週間で差し替えを行う決まりでしたが、3人目の管理入院中に周りに聞いたところによると、今は漏れなければ長期間同じ個所でもたせる方針となったそうです。

副作用としては、身体のほてりや手足のしびれなどがあります。そのため氷枕を使用したり、夏の場合は氷をもらって口に入れてほてりを凌いでいました。

また、人によっては肝臓に影響が出てしまうことがあるようです。個人差が大きく、長期間に渡って最大レベルを注入していても、そのような状態に結びつかない人もいます。負担が大きい場合はマグセントへの切替が検討されます。

マグセント

子宮だけではなく、妊婦の全身の筋肉の働きをおさえる点滴です。1人目の30週1日から34週0日まで使用していました。

心臓を含む筋肉に作用するため、注入中は心電図を装着してモニターリングします。その対応のため、MFICUに移動となりました。また、肺の機能を確かめるため、指先の酸素濃度も毎日はかります。

ウテメリンと同様に注入量を変えられますが、点滴の注入量ではなく血中濃度が問題とされます。いくら注入しても腎臓の働きで体外に排出されるため、毎回の尿をとったり、採血を行ったりして血中濃度を確認し、注入量を決めていきます。

ウテメリンとのW注入を行う場合は、点滴スタンドに2つの点滴をセットし、一か所の針からミックスして注入します。

副作用としては、息苦しさや身体のほてり、全身の倦怠感などがあります。ウテメリン同様、時間が経過すれば身体が慣れて、苦痛は感じにくくなります。さらに、胎児も少しぐったりしてしまい、胎動が少なく感じられるということもあるようです。

そうした副作用や、採血・採尿・心電図といった手間から、管理入院中の切迫妊婦からも恐れられる存在ですが、その効果は高く信頼がおける点滴です。胎児への影響を不安視する声も根強いですが、マグセントを使用しなかったために早産した場合の危険性とは比較になりません。

また、1人目妊娠時は34週0日までの使用が推奨されているという説明でしたが、マグセントはアメリカの製品なので、日本の早産の捉え方との違いが反映されているのでは、とのことでした。36週まで注入を続ける人も多いようです。

マグセントをいつまで注入するかは主治医に最新の情報を確認し、指示に従ってください。