切迫流産・切迫早産ママの立場に立って実家との調整役をこなす

パパの両親、ママにとっての義両親との調整役は、パパの重要な任務です。

この調整役は、出産後も続きます。パパが毅然と間に立ち、「親孝行より妻孝行」の立場で自分の親との適切な距離を調整してくれることで、ママも安心して義実家と良好な関係を築けるでしょう。

この機会にパパは「『家族』なんだから、ウチの親を頼ればいい」を卒業し、実家から独立して新たな家庭を持った自分を示し、ママにもご両親にも安心してもらいましょう。

ママの切迫流産・切迫早産安静中は、自分の親の見舞いを断る

自宅安静中や入院中に、義両親に頻繁に面会に来られたらどうでしょうか?

普段の関係性にもよりますが、多くは「ありがた迷惑」。「今くらいはそっとしておいてほしい!」というのが多くのママの本音でしょう。

しかし、その心理を理解できないパパがいます。
「うちの親相手に、気を遣ったりしなくていい。気にせず寝ていればいいんだよ。」
「何か言われても、聞き流しておけばいい。」
「うちの親は、実の娘だと思ってわざわざ見舞いにきてくれてるんだよ。ありがたいよね。」
一見、ママを気遣うセリフに見えますが、これらすべてNGです。

パパは、自分が特別に弱り切っている長期入院中にママの両親が頻繁に訪れて…そんなシチュエーションがなかなかないので、想像が及ばないかもしれません。

そもそもパパの親というのは、これからママになる段階の妻にとっては、まだまだ他人の領域に近いのです。長年息子をしてきたパパと即座に足並みをそろえて「自分の親も同然、親孝行したいわ!」なんて思えなくても当然ですし、その感覚を批判されてしまったら、ママとしては立つ瀬がありません。

シャワーもろくに浴びれずパジャマ姿で横たわっている姿を見られたくないので、結局は無理に上体を起こして対応したり、見舞いに合わせてシャワーを浴びるタイミングを考えねばならず、体調最優先の安静中にはよくありません。

さらに、たとえ義両親に悪気はなくても、夫婦間の役割分担や次の妊娠など…様々な口出しをされて世代間の価値観の違いを「聞き流す」のは切迫流産・切迫早産安静時は特に深刻な負担となります。

しかしママの立場では、パパにパパの親のことを訴えることができません。ましてや、「うちの親も『家族』なのに、どうしてそんな風に考えるの?」「実の娘と思ってくれてるのに!」などと言われてしまったら、悪役に追いやられてしまうようで、かえって今後の義実家付き合いにも支障をきたしてしまいます。

もし自分の母親が強気に「お見舞いに行かなきゃ!」と言ってきても、ママが「お義母さんの見舞いは構わない」という様子でいたとしても、気持ちだけありがたくパパが受け取り、安静中の見舞いは断りましょう。

パパをとばしてパパの親がママの元に頻繁に訪れるなどという状態は、特に好ましくありません。「親と妻は勝手にうまくやってくれている」などと幻想を抱いて放置をせず、自分の親の行動はパパが責任をもって把握して、しっかりと間に立ちましょう。

「嫁が嫌がっているから」などと波風を立てるのもNGです。「自分に任せて、生まれてからを楽しみにしててね!」と前向きに伝えれば、ご両親も「息子も頼もしくなったものだ。今は信じて任せよう」と納得して安心してくれるはずです。

両実家はあくまでもサポーター。「主役は自分」という意識を持つ

仕事の都合で、上の子の保育園の送迎など、自分やママの実家に頼る必要があるパパもいるでしょう。

しかし、上の子やママのメンタルケアまで実家任せでOKという意識でいるのは考え物です。

「自分は仕事が忙しいし、ママのことはママの両親の方がよく分かっているから」などと済ませてしまっていると、「ダンナはATM。本当に気持ちを分かってくれる育児のパートナーは自分の母親」となり果ててしまうケースすらあります。

また、「自分の親と妻はうまくやってくれている。うちの親を頼ればいい。」などとタカをくくって関知せずにいたら、実際は…ということも。

パパやママの実家は、あくまでもサポーターです。主役はパパなのです。たとえ忙しくて割ける時間は短くとも、「自分の子ども、自分の妻なのだから、自分が!」という意識はしっかりと持ち、ママや子どもと全力で向き合いましょう。

そうすればパパやママの実家からの信頼も得られます。自分の娘に全力で向き合ってくれるパパにママの実家は感謝するでしょうし、パパの実家もパパの成長ぶりを嬉しく思うはずです。今後の両実家との関係も良好なものとなるでしょう。

切迫流産・切迫早産安静という局面は、パパの存在が問われる大勝負です。ぜひ勝利して、今後の家庭生活を幸福なものにしましょう。

実家・義実家にお礼をする

パパやママの実家に上の子のフォローなどを頼んでいる場合は、産後落ち着いてからでもいいので、パパから適切なお礼をしましょう。お礼の内容はママと相談して決め、手配などの作業はパパが担うと上手くいくでしょう。

保育園代わりに上の子を預けていたり、送迎を依頼していた場合は、生活費や謝礼を支払うことも必要です。断られた場合は、現金という形ではなく使い回しやすい商品券を活用しましょう。

出産祝やその内祝という形で記念品を送り合うことになれば、そこに+αとして付け加えてもいいですね。

パパは「自分の両親と親孝行の旅行を」などと考えてしまいがちですが、赤ちゃんを連れて気を遣う義両親との旅行ではママの立場では一方的な負担になるので、提案するのは避けた方がよいでしょう。

お互いに負担にならないような、スマートなお礼を心がけましょう。