コロナ感染予防対策(切迫流産・切迫早産自宅安静時)

自宅安静時は、基本的に健診先の病院しか移動先がありません。コロナ対策を考える上で柱となるのは、通院時と家庭内感染を防ぐことです。

通院時の感染予防を徹底する

自宅安静生活を送る切迫妊婦でも、避けられない外出が妊婦健診です。院内感染のニュースが相次ぐ中、不安を覚える人も多いと思います。通院時は以下の点に気を付けましょう。

発熱などの気になる症状がある場合は電話で相談を

発熱、だるさ、嗅覚味覚の異常などがある場合、また、コロナ陽性者と接触していることが発覚したら、速やかにかかりつけ医療機関に連絡し指示に従いましょう。

次回に予定された妊婦健診のみならず、出血・腹痛・破水があった場合などには、すぐに医療機関にかかる必要に迫られます。緊急事態のときにどう動くかが決まるため、すみやかな報告が肝心なのです。

他の患者に感染拡大させないためにも、病院への連絡、報告は怠らないように注意しましょう。

マスク着用を徹底する

withコロナの基本のマスク着用ですが、つければOKということではありません。妊婦健診に行くために一度使用したマスクの使い回しはやめ、使い捨てなら替え、布マスクならその日のうちに洗濯をしましょう。

マスクは鼻の穴が隠れるように着用し、病院内ではむやみに外さないようにしましょう。食べ悪阻などやむをえない状況でなければ、病院内でマスクを外し口に物を入れるのも避けましょう。

帰宅時の手洗いうがいを徹底する(シャワーは無理しない)

妊婦健診を終えて帰宅したら、すぐに手洗いうがいを徹底しましょう。手洗いは、30秒以上かけて丁寧に行いましょう。

「新しい生活様式」においては帰宅時にシャワーを浴びることも推奨されていますが、切迫妊婦の場合は妊婦健診による外出でも腹部に負担がかかっています。帰宅直後は身体を横たえて休むことを優先し、腹のはりを感じるなど違和感を覚える場合は、特に無理はしないようにしましょう。

切迫流産・切迫早産の重症度によりシャワーの頻度に制限がつく場合もあります。つど主治医に相談しましょう。

アルコールで手の消毒を徹底する

病院に備え置きのアルコールもありますが、携帯用のアルコールを持参していると便利です。受付の際や会計の際、何かと他の人が触った物を触る機会があるため、手軽に使える携帯用アルコールを利用しましょう。

妊婦健診は少ない人数で行く

パパや実家のご両親などをぞろぞろと連れて受診することはやめましょう。また、切迫流産・切迫早産安静中はただでさえ走り回る上の子のフォローをしながらの受診は負担です。受診時は上の子の預かり先を確保しておくと安心です。

ただし、切迫流産・切迫早産安静中は、通院時にも何があるか分かりません。パパなどサポートのできる人に同行してもらう場合は院外で待ってもらったり、万が一のときにすぐ連絡をとれるように情報共有しておくことが大事です。

パパが在宅勤務の場合も、職場に相談しておけば万が一のときに対処しやすいでしょう。

病院が混みあう土曜を避けて平日に受診する

働く妊婦が増えた今、妊娠経過に問題がなければ土曜を中心に妊婦健診を受ける人が多いです。病院に滞在する時間を減らし、また「3密」を避けるためにも、自宅安静中の妊婦であれば、比較的すいている平日に受診しましょう。

待ち時間を軽減することは、コロナ対策だけではなく身体の負担を減らすことにもつながります。すいている時間帯を受付の人に確認して予約を入れてもいいですね。

ただし、自宅安静時に異常を感じた際は、病院の混み具合など気にせず電話で相談し、指示に従い受診しましょう。

病院への交通手段では、公共交通機関を避ける

病院へ向かう際に、不特定多数の人が利用する公共交通機関の利用は避け、家族の運転する車か、タクシーを自宅まで呼んで移動しましょう。

コロナ禍ではなくても、公共交通機関では待ち時間や乗車中の負担が考えられます。車やタクシーの車内では、目的地まで後部座席に身体を横たえましょう。

タクシーは大通りに出て拾おうとすると、徒歩数も増えてしまい負担となるため、原則、自宅に呼びましょう。タクシーを簡単に呼べるアプリもありますので活用しましょう。

タクシーでの往復を重ねると高額な交通費が負担となりますが、妊婦の妊婦健診時に利用できるタクシー券を配布するなど、妊婦の費用負担を軽減する施策をしている自治体もあります。

感染を避けて身体への負担を最小限にする移動手段は、常に考えておきましょう。

病院の飲食店での食事は避ける

妊婦健診の合間に食事を済ませたいこともありますが、向かい合った席での飛沫感染などが考えられます。

不特定多数の人が利用する病院の飲食店での食事は避け、テイクアウトを利用するなどして自宅で食事を済ませましょう。

家族のコロナ意識をすり合わせて感染予防を徹底し「家庭内クラスター」を防ぐ

安静中でも避けられない感染源は、家族です。最近は「家庭内クラスター」による感染も主流となりつつあります。家族ぐるみで感染予防を徹底することが、ママへの感染を避けることにつながります。

注意したいのは、パパなど同居する家族とのコロナ意識のすり合わせです。コロナ意識の違いから一方的に注意を繰り返すママの負担は大きいものです。家族が感染予防を怠れば、「私や赤ちゃんのことを大事に思ってくれていない!」とトラブルに発展することすらあります。

感染の危険性を下げるだけではなく、コロナのせいで家族に亀裂が走らないように、一度ルールを決めたら継続して忘れないようにする工夫が最も大事です。

同居する家族は「3密」への不要不急の外出を極力避ける

パパなど同居する家族は、日頃から娯楽、飲み会など不要不急の外出は極力控えましょう。もし誘いがあって断りにくい場合も、「妻が妊娠中なので」ときっぱり断りましょう。

遠方の結婚式に招待されている、親戚の法事がある、といった場合でも、今は事情を説明して断る方がよいと思います。

身軽なうちに息抜きを…などと考えていたパパもいるかもしれませんが、今は有事のときと心得、最大限の感染予防に努めましょう。

同居する家族は帰宅後にすぐに着替えをしてシャワーを浴びる

通勤などからの帰宅時には、手洗いを徹底し、シャワーを浴びて着替えましょう。手間かもしれませんが、一時期でも徹底しましょう。

ドアノブなど、家の中でよく触る部分はアルコール消毒を徹底する

帰宅後など家の中で触るドアノブや水道の蛇口などは、アルコール消毒を各自徹底させましょう。

除菌シートを近くにおいて拭き取れるようにする他、スプレータイプの除菌グッズを吹きかける方法もあります。家族が忘れず負担なく続けられるように、やりやすい方法を選びましょう。

普段あまり気を遣わないパパの場合、神経質になり過ぎるくらいが正解だと思った方がいいでしょう。感染を防ぐ確率の問題だけではなく、ママに「そこまでして私と赤ちゃんを気遣ってくれている」と感謝される姿勢を目指した方が、円満になります。

可能であればパパはリモートワーク(テレワーク・在宅勤務)を希望する

パパは会社に事情を説明し、もし可能であればリモートワーク(テレワーク・在宅勤務)を希望しましょう。

コロナ対策だけではなく、リモートワークに切り替えることで身動きがとれないママに代わって家事にあてる時間が増え、出血など何かあったときに同じ家の中にいて対応できるという安心感をもたらします。

関連記事:ママの切迫流産・切迫早産安静中にリモートワーク(在宅勤務・テレワーク)!家庭内「緊急事態宣言」中に切迫プレパパができること

上の子の帰宅時の手洗い洗顔を徹底し、食べ残しなどを口にしない

通学・通園している上の子にも帰宅時の手洗い洗顔を徹底させましょう。また、サイトメガロウイルスの感染予防と同じく、口へのキスや上の子の食べ残しを口にしたりすることは避けましょう。

特に感染多数地域からの訪問は控えてもらう

最近はGo To トラベルキャンペーンなどもあったため地域間移動への考えがゆるくはなりましたが、妊婦が安静にしている家は旅行先ではありません。

近場からの訪問もですが、特に感染多数地域から移動してきた両親・義両親や友人などが家に訪問するということは避けた方がよいでしょう。

もし義両親が訪問を希望している場合は、パパに間に立ってもらい、オンラインでのコミュニケーションを提案してみましょう。